ワシントンDC、2019年8月26日-世界銀行グループの一機関である多数国間投資保証機関(MIGA)は、シエラレオネ南部での施設の設計、建設及び運営に対し、3,600万ドルの保証を発行した。同施設は、パイナップルをはじめとする輸出向けトロピカルフルーツの栽培、収穫、加工を行う。MIGAは、今後最長10年間にわたり、伊藤忠商事の子会社であるドール・アジア・ホールディングスのシエラ・トロピカル 社への投資について、収用及び契約の不履行のリスクを保証する。
MIGAは自己資金に加え、国際開発協会のMIGA保証ファシリティ(MGF)も活用し、同プロジェクト支援で一次損失を共有する。MGFは、市場とMIGAが取り決めた仕組みが、民間投資の誘引に不十分または活用できない場合、このギャップの解消を支える役割を担う。
日本の輸出信用機関である日本貿易保険(NEXI)は、ドール・インターナショナル・ホールディングスに対し保険を提供しているが、これと同時に、MIGAのエクスポージャーの一部に対し再保険も実施している。これは、NEXIとMIGAの2018年5月の協力協定の締結以降初となる、アフリカにおける両者による再保険である。
このグリーンフィールドな農工業施設では、パイナップルをはじめとするトロピカルフルーツを加工する。全世界に向けて輸出される果物を、ここで植え、栽培・収穫する。さらに包装工場と関連施設も併設される。
「シエラレオネの労働人口の60%強が農業に従事しており、さらにそのうち60%が女性である。こうしたことから、食料の生産及び加工への投資の拡大が同国においては不可欠だ。」とMIGAの本田桂子長官兼CEOは述べた。「また、現在、同国経済は鉱業を主軸としているが、このプロジェクトはその多様化を支えるとともに外貨獲得手段ともなろう。」
シエラ・トロピカル社は、生産段階で3,000件を超える雇用を生み、労働者に対する技術支援や職業訓練を行う。さらに、現地コミュニティで新規インフラの整備が進むことも期待される。
ドール・アジア・ホールディングスが、同プロジェクトに対し長期的に資源をコミットするには高い信頼が不可欠だった。MIGAはこの点でも大きく貢献しており、なかでも、シエラレオネ政府との密接な連携が特に重要な役割を果たした。
ドール・アジア・ホールディングスの久米川武士代表兼CEOは「ドール・アジア・ホールディングスはひとつの重要な節目を迎え、アフリカ及びシエラレオネでの長期的なビジネス展開の展望が開けたことを嬉しく思う。我々のこうした取組みは、1世紀以上にわたりわが社のDNAとして受け継がれている『三方よし』の精神に基づいている。我々は、今後も『売り手よし』、『買い手よし』、そして『世間よし』の精神に則り事業活動を展開していく。」
シエラレオネの農林業食料安全保障省は、今後10年間で農業に数十億ドル規模の投資を呼び込むという野心的な目標を掲げている。短期的には、同プロジェクトにより、毎年必要な外貨を得ることができると期待される。
シエラレオネ投資輸出促進庁(SLIEPA)のシェクゥ・レクスモンド・コロマCEOは、「シエラレオネ政府は、農業のバリューチェーン全体での付加的な価値の創造を最優先事項としている。シエラレオネ・トロピカル(SL)社の我が国におけるパイナップル・プロジェクトは、雇用を増やし、農村地域の所得を生み、富を創出するとともに、人々の生活を支えるほか、産業の発展にも総合的に貢献する可能性を秘めている」と述べた。
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MIGAは、発展途上国における海外直接投資の推進 を目的に1988年に設立された国際機関であり、世界銀行グループの一員である。現在加入国は181か国。クロスボーダーの民間投資の際に、兌換・送金の停止、収用、政府による契約不履行、戦争・内乱といったリスクを保証し、また、一部の国では、信用保証も行っている。
設立以来、550億ドルの投資の保証を、114カ国で行っている。
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