2019年8月19日 ワシントンDC – 世界銀行グループの多数国間投資保証機関(MIGA)は、政治リスク保険や信用保証を民間投資家に提供することにより、クロスボーダーの民間投資を推進している。また、MIGAは、日本貿易保険(NEXI)や国際協力銀行(JBIC)とも協働している。
MIGAのアフリカへの投資保証残高は、過去6年で2倍強に増加し、現在63億ドルである。MIGAが過去6年にアフリカで保証した案件の開発効果には、2,540万人の家庭に電気が通じる、640万トンのCO2削減、投資先の政府に年間22億ドルの税等の収入がはいるといったものがある。
2019年度(2018年7月―2019年6月)に、アフリカでMIGAが支援した主要な案件は、
- カメルーンで420メガワットの水力発電所を建設。45万人に電力を供給
- エジプトでガラス製品の製造工場に投資し、中東のみならず、アフリカ、南アジアや米国に輸出
- 南アフリカで太陽光発電所を6か所投資し、22万人に電力を供給
などである。
日本企業についても、みずほフィナンシャルグループ。双日、日立建機などに対し、インフラ、エネルギー、製造業等の分野において、ガーナ、ザンビアなどで支援を行っている。
今後アフリカにおける主な事業機会は:
- 都市化: アフリカにおいても都市化が進展してきており、現在4億7200万人が都市に居住しており、今後25年で倍増が予想されている。2050年には、世界の都市人口のうち、アフリカの都市居住者の占める割合が20%を超す予定である。
- 発電・送電:現在3人に2人は、電力が安定的に供給されていない。
- 電話通信: サハラ以南アフリカでも携帯電話の普及率が72%である。かなり普及率が、世界の他地域よりは低い 。
- 労働力: エントリレベルではあるが、労働力は豊富。
事業機会は豊富であるが、一方で公的な借入金が増加しているという課題もある。一部の国では、それがマクロ経済の安定を脅かすことも考えられる。若年者の雇用の確保も課題の一つである。
MIGAの本田桂子長官は “世界で最も経済成長率の高い、最後の最大市場のアフリカには、民間企業にとっての事業機会がある。一方、新興市場ゆえのチャレンジもある。MIGAは、アフリカで欧米等の投資かを支援してきた実績があり、過去6年で保証残高も倍増している。アフリカ開発会議(TICAD7)を契機に、日本企業にもぜひアフリカ投資をお考えいただきたい。MIGAもご支援したい”と語っている。
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MIGAは、発展途上国における海外直接投資の推進 を目的に1988年に設立された国際機関であり、世界銀行グループの一員である。現在加入国は181か国。クロスボーダーの民間投資の際に、兌換・送金の停止、収用、政府による契約不履行、戦争・内乱といったリスクを保証し、また、一部の国では、信用保証も行っている。
設立以来、550億ドルの投資の保証を、114カ国で行っている.
問い合わせ先:
東京: 林田 修一, +81 (3) 3597 6633, shayashida@worldbank.org
Washington: Vamsee Krishna Kanchi, +1(202) 458-9771, vkanchi@worldbank.org
より詳細な情報についてはホームページをご覧ください: http://www.miga.org
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